非ヒト動物の協力行動は多くが個別の貢献として解釈されます。本研究ではラットを使い、共同サイモン課題でパートナーの存在と課題の共有がパフォーマンスに与える影響を調べました。ラットは2つの音(3kHzと12kHz)の弁別訓練を行ったあと、サイモン課題を個別に行い、次に他のラットとペアになり半分に分割した課題を共同で実行しました。結果、分割課題を共同で行った場合(共同課題)にサイモン効果が確認されましたが、一方のラットだけが分割課題を行った場合は効果が観察されませんでした。これは、共同課題でみられたサイモン効果は単純な分割課題の加算では説明できないことを意味します。したがって、課題の共有はラットの個々のパフォーマンスに影響を与えることが示されました。